和歌山県庁舎の外観

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和歌山県職員を志望される皆さんへ 

令和6年3月4日職員採用説明会 知事メッセージ

皆さんこんにちは。今日は和歌山県の職員採用説明会にお集まりいただき、本当にありがとうございます。この中でおそらく和歌山県庁が第1志望の方もおられるでしょうし、そうでない方もおられると思います。皆さんの選択肢の一つとして、ぜひ和歌山県庁を選んでいただきたいと思いますので、私からは和歌山県庁ってどのようなところなのか、どんな働き方をするところなのかをご説明したいと思います。

多分皆さん県庁で働かれたことがないでしょうから、県庁の仕事は分からないと思うんですけれども、パンフレットにありますように一般行政職からはじまって色んな職種と仕事があります。県庁や市役所、国という公務員に皆さん興味がおありなんでしょうけど、もちろん民間企業に就職するのもあるでしょうし、あるいは最初から難しいですけども会社を作るようなこともあると思います。働かないと生活もできませんし、生きていくためにお金を儲ける一つの手段として働くっていうのがあるんですけども、どうせ働くんだったら、皆さんの人生観と合うような働き方ができるところと上手くマッチングするのがいいかなと思うんですね。ちょっと私(皆さんより)年を取っていますんで、偉そうなことを言って申し訳ないですが、皆さんは二十数年間あるいは社会人でお受けになる方はそれなりの人生を歩んでこられていると思うんですけど、先輩として何のために生きているのかをよく考えて、就職活動をしてほしいと思います。何のために皆さんが今これから生きようとするのか、人生の目的って何だろうか。皆さんが思っている人生の目的と県庁での働き方が上手くマッチングすれば、ハッピーだと思うんです。でも入ってみないと分かりませんけどね。1DAYもあれば1週間ぐらいのインターンシップの仕組みもあるので、自分の人生観と合うかどうかを今3回生の方であれば、4月から色んな形でできれば県庁の様子も見てください。

今、皆さん何のために生きているのか答えを持っている方、私の人生の目標はこれですという方、手を挙げてくれますか。いない。そういう人は来なくていいです。何のために生きているのか、何のためにこれから人生を歩むのか考えないんですか。皆(手を挙げるのが)恥ずかしいかもしれませんが、手を挙げてもあてません。何でもいいんですよ。1人おられた。お見受けするところ、社会人の方かもしれません。色んな考え方があっていいと思うんですけどね。ちょっとそれを考えながら私の話を聞いてくれますか。

県庁はどういうところか、何をするのか。和歌山県庁の職員の目的は、和歌山の県民の皆さんを一人でも多く幸せにすることです。県庁ってそういうために色んなところがあります。子育て中の方、おじいちゃん、おばあちゃん、能登半島地震のような災害が起きたときの被災者あるいは避難所の方、それぞれ色んな局面で県民の皆さんをできれば一人でも多く幸せにするっていうのが県庁職員の仕事なんです。幸せって何かは人によって違いますよね。人生とは何かっていうのが人それぞれ違うように幸せも人それぞれ違うのですから、ほっといてくれって言う人もいるでしょうね。県庁の人に幸せにしてもらわなくてもいい人もいるでしょう。幸せな人はきっと明るく笑顔のはずですよね。それぞれの幸せの形は分からなくても、県庁職員の仕事は一人でも多くの和歌山県民の皆さんを笑顔にすることだろうと考えています。だから一人でも多くの県民の笑顔をつくるのが僕らの仕事です。自分が幸せでもないのに人を幸せにするのは絶対にできませんから、自分が先に笑顔になって幸せになりましょうと去年1年職員の皆さんにお願いしました。ワークライフバランスという言葉がありますけど、和歌山県庁は違います。ライフが先でワークは後です。ライフワークバランスをしっかりとバランスを取りながら、仕事はお給料をもらうわけだから仕事をしないのはいけないけれども、まずは自分の生活や家族の生活を大事にするためにできるだけ残業せずに早く帰れるように和歌山県庁では去年から午後5時以降の会議は禁止しています。フレックスの方もありますが、退庁時間は午後545分です。部下への新しい命令の発注や各課への電話の照会も午後5時以降は禁止としています。午後5時から午後545分は自分の仕事の整理や明日の準備に当てる自分時間とし、できれば午後545分に帰りましょうってことをやっています。部署によっては忙しいときもありますので、残業ゼロというわけにはいきませんが、基本的にはそういうことをしましょうっていうのをお願いしています。

ウェルビーイングという言葉が今流行っています。ウェルビーイングを知ってる人、分かる人(手を挙げてください)。初めて聞いたっていう人もいるのかな。大体分かっていらっしゃる。ウェルビーイングはWHO(世界保健機関)が作った言葉で幅広い(意味)となりますが、身体も心も社会全体も健康な状態を言います。障害を持っている方をはじめ、色んな方がありますから健常ってことではないです。例えば和歌山県庁という組織が健康というのがウェルビーイングなんですね。農林水産部もあれば、商工労働部あるいは観光や地域振興など部署や担当によって違うけど、僕たちがウェルビーイングになって、和歌山県民の一人ひとりがウェルビーイングになることが目標ではないのか。4月から私は職員の皆さんに笑顔の次のステップをお示ししないといけないんです。毎年同じことを言っても仕方ないです。私達が笑顔になっただけではいけないですよね。ウェルビーイングや幸せは目標ではなく手段です。私たちが笑顔になって幸せになることは手段となることから、人生観と関わってきますが、人生の目的になることじゃないと私は思っています。幸せだったらパフォーマンスが良くなります。気分が良ければ、皆さんの力が10から20になります。(皆さんの力が10から)15になります。気分が落ち込んでこのやろうと思っていたら、10の力が5になりますよね。皆さんそういう経験があると思います。ウェルビーイングで幸せな状態になることは手段であり、それから県民が幸せになるような政策をしたり、実際に現場に行って汗をかくことだと思うんです。その上で皆さんが新採で県庁に入って1年、2年、5年、20年を経て、常に成長してもらわないといけないわけです。そういうことで、笑顔の先には成長があるっていうのが私の4月からの職員の皆さんへのお願いになろうかと思います。ウェルビーイングとなって成長すれば能力も高まり、人格的にもさらに良くなると仕事のパフォーマンスが上がり、県民の皆さんのお役に立てることだと思うんですね。

私は67歳です。今まで色んな経験してきましたが、最初は国の公務員なりました。それから40代でトヨタ自動車に行きました。それから皆さんにおすすめしませんが政治家になりました。48歳で選挙に出て大変ショックでしたけど落選し、4年間浪人して国会議員になりました。一昨年から国会議員を辞めて県庁で働いています。私の経験から人生っていうのは、昨日分からなかったことが今日理解できるようになる(ことだと思います)。学問や人間関係だけでなく、色んなものが昨日わからなかったが今日はそういうことだったのかと分かる瞬間があることは嬉しいです。スポーツ、趣味、勉強でも今日できなくて、練習して失敗して、今日できないことが明日できるかもしれないのはわくわくしますよね。人生っていうのはお金持ちになったり、有名になったりするのではなく、昨日理解できなかったことが今日わかる。今日わからなかったことが明日わかる。昨日できなかったことが今日できるようになっていることじゃないかなと思うんです。それって楽しいし、わくわくします。皆さんが県庁に入って成長してもらうことが県民の皆さんがハッピーになっていくことなんですよ。色んな仕事があるので、皆さんがやりたいと思っている仕事と(実際に担当する仕事が)違うかもしれません。私は福祉の仕事をしたいですって希望を書いて県庁に入っても組織人になりますから、ある程度人事は希望を聞いてくれますけど、最初の配属先が福祉かどうかはわかりません。自分が入って与えられた仕事が(やりたいと思っている仕事と)違っても、全てが県民のための仕事(であることは共通している)だから、そこで全力を出してもらって、成長してもらうところが和歌山県庁なんです。役所ですから皆さん真面目ですけど、さっき言ったようにライフワークバランスが大切ですので、色んなことをこれから変えていきたいと思っています。例えば今日、学生さんなのにネクタイをしている人がいたり、しかも女の人はネクタイをしていないのに男の人はネクタイをしているのはジェンダー不平等じゃないですか。それからどうして、黒のスーツを着ないといけないのですか。白いシャツに黒いスーツを着て就職活動するのは日本だけですよ。私が就職活動をしていた時代の説明会では、女性は華やかな姿をしていましたし、男の人もネクタイをして背広を着ている人ばかりではなかったです。私から見ると皆さんちょっとおかしい。もっとカジュアルにしてほしいので、和歌山県庁の夏はクールビズで冬はウォームビズです。1年通じてノージャケット・ノーネクタイです。背広を着てネクタイをする方がパフォーマンスが上がる人はそうした方がいいし、私は首を絞めるのが嫌なので、ネクタイをしない方がパフォーマンスがあがる人はそうした方がいいので、(服装は)自由になります。それから働き方も令和7年からは、人事委員会から完全フレックスにしなさいという勧告を受けていますので、おそらく皆さんが入庁したときから完全フレックスです。そのようなことからDXを進め、実験的にフリーアドレスのオフィスも導入しています。民間より遅れているんですけれど、皆さんが働くときには完全にDXが進み、ペーパーレスでフリーアドレスの職場で一緒にやっていきたいと思っています。年功序列っていうのもこれから段々なくなっていくでしょうし、もちろん採用される段階で男性と女性の比率は半々です。男性とか女性とか分けること自体も私はしたくないと思っています。いわゆるLGBTQの方もいらっしゃるので、男性が何人、女性が何人、何割って言っている時代ではなく、全ての人が多様性を認められて、生き生きと働ける職場にしたいと思っています。そして特に県庁としては去年、チャレンジドの皆さんのために障害者差別解消条例を作りました。和歌山県には(障害者差別解消条例)がなかったので、やはりチャレンジドの皆さんを大事にする多様性を大事にする県にしたいし、県庁内もそのようにしていきたいと思っています。

チャレンジドって知ってるよね。知らない人はいないと思いますけど、語源を知っている人はいますか。1人、2人いた。元々英語では「Disabled」って言います。障害を持っている方という「Disabled」 、「ed」をつけると人ということです。ケネディ大統領を知らない人がいるんですけど、ケネディ大統領を知らない人は(いますか)。さすがに県庁に行きたい人は(いないね)。この前、中学校へ出前授業に行ってケネディ大統領を知っている人がいなかったので、びっくりしましたけど皆さんはご存じですね。ケネディ大統領って有名な演説をたくさんしています。一番有名なのは就任のときに「国民の皆さんが国から何をしてもらうかじゃなくて、あなたが国に何ができるかを考えなさい」という演説です。もう一つ彼は「障害を持っている方を納税者にする」という有名な演説をしているんです。そのときに「Disabled」って言葉を使っています。障害を持っているアメリカ人は正確じゃないけど月10万円の障害年金をもらっているので、それで生きられますけど、私はそれではいけないと思っています。障害を持っている方で働きたい方には国が20万円出して、10万円稼いでもらい、その10万円から税金を納めてもらいましょうっていうのが有名な演説なんです。その当時、アメリカ政府は障害を持っている方に色んな予算をつけて、最初にペンタゴンで福祉を進めました。アメリカは戦後、朝鮮戦争やベトナム戦争をやっていましたから、障害を持っている軍人さんが多く、その人たちは軍人年金、軍人恩給だった方を職場に戻れるように巨額の予算を使って、事務的な仕事や補給の職場に戻したところ、すごく皆が生き生きされたので、今度は連邦政府の職員にしました。交通事故や病気が原因となる途中障害や中途障害の人にも年金ではなくて巨額の予算を使って働く場を提供すると、皆が生き生きした。その後、全ての国民にも同じように何兆円という予算を使いました。そのようなことに「Disabled」って言葉を使ったんです。口語で言うとハンディキャップドというのがあります。ハンディキャップって聞いたことありますよね。ハンディキャップドという英語もありますが、これは差別用語で今は使えません。なぜなら、ハンド(手)でキャップ(帽子)を持つ物乞いという意味だからです。昔アメリカでも障害を持っている方は働けなかったため物乞いをしており、それがハンドでキャップを持つことから、ハンディキャップドという意味で差別用語となっています。その後にキリスト教の影響かもしれませんが、チャレンジする人という意味でチャレンジドという言葉が出てきました。健常な人はみんな怠け者でしょう。人間って怠け者です。健常だとつい甘えて怠けてしまうんだけど、何か障害持っている方はそれだけで大変です。目が見えない、耳が聞こえない、車椅子に乗らなきゃいけないといった方は常に存在することによって、挑戦が求められているということではなく、アメリカでは挑戦する権利を与えられていると定義するわけです。キリスト教の神様があなたには常に大変な生活をすることになるけれど、それは挑戦する権利でチャレンジドなんだ。私は「チャレンジドを納税者にする」っていう、ケネディ大統領の演説を聞いて政治家を志しました。もちろんテープですけどね。

県庁としてそういうことはしていきたいと思うんです。チャレンジドってなると実は健常の方も一緒で昨日できなかったことが今日できる。今日わからなかったことが明日わかるようにするために努力するって挑戦するわけですよね。障害を持っている方と健常の方で違いがあっても、挑戦して昨日の自分より今日の自分、今日の自分より明日の自分がより成長するということに挑戦するという意味では一緒じゃないですか。そういうことを去年1年、県庁の皆で話をしながら色んな改革をしてきました。そうなると、LGBTQの方のパートナーシップ宣誓制度も実は先月から和歌山県庁は始めました。それは憲法13条に基づいて私はやりました。法学部以外の方は、憲法13条と言われてもピンとこないかもしれないけど、中学校・高校では習っているはずです。憲法13条というのは基本的人権の項目と言われています。全て個人は、生命、身体、そして幸福追求の権利が最大に尊重されるっていうのが憲法13条の条文です。私はこれが日本国憲法で一番大事だと思っていますし、一番好きな条文です。全て一人ひとりの個人が命は大事です。身体も財産も大事ですけど、一番大事なのが幸福追求の権利、そして幸福追求の権利が憲法で保障されている国なんです。だから、チャレンジドの方もLGBTQの方も全ての県民お一人おひとりが幸福を追求する権利を守られなければならないし、それを守るのが私達和歌山県庁の職員なんです。皆さんにとって憲法はあまり身近ではないかもしれないけど、そんなことないです。和歌山県庁の職員は、一人ひとりの県民の幸福追求の権利を守るために自分もハッピー、そして成長して何とか一人でも多くの和歌山県民の方を幸福にしていく、そのための幸福追求の権利を守ることなんです。私の説明は細かな業務の話ではありませんでした。考え方の話なので、皆さんどこまでピンと来ていただいたか分からないですけれども、もしそういう大きな考え方であったり、人生とは何なんだろう、何のためにこれから働くのかをもう一度考えていただいて、私が申し上げたような和歌山県庁の方向とマッチングする方はぜひ応募していただきたいと思います。

4月からは学科試験なしで採用するテストも作りました。(正しくは「専門試験がなく、基礎能力試験(SCOA)と面接試験、論文試験で受験できる試験を作りました。」となりますので、訂正します。)教科書や参考書を覚えて、あらかじめ答えのある問いをマークシートで答える能力は全く必要ありません。ハートと人間力というもので、和歌山県庁で皆さんと一緒に働ければ、こんな嬉しいことはありません。ぜひ、和歌山県庁を目指してください。カメラで撮っているから内緒ではないけれど、受かるコツが一つあります。私達はどういう基準で皆さんを採用するか、一番大事なことは一緒に働いて楽しい方です。一緒に楽しく働ける方を私達は待っています。どうかよろしくお願いします。ありがとうございました。

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